家計の中で、大きな割合を占める食費。
食の削減は家計改善の近道なものの、多くの人が苦戦しているのも現状です。つい余計な買い物をしてしまったり、ストイックな節約でストレスを抱えるなど、うまくいかないケースも少なくありません。
しかし、食費の節約は決して難しいものではありません。適切な方法を知り、実践することで、ストレスフリーな節約が可能です。
当記事では、すぐに実践できる15の食費節約テクニックを紹介します。避けるべきNG行動も解説しているので、効果的な節約を目指す人は必見です。家計の見直しをお考えの場合には、ぜひ参考にしてください。
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食費の適正金額をチェック!つかいすぎていない?
食費の適正管理は、家計改善の第一歩です。
一般的に、手取り収入の15%程度が食費の目安とされます。たとえば、夫婦の合計手取り収入が45万円の場合、適正な食費は約6万8千円です。この金額には、日々の食材費だけでなく、外食費や嗜好品(菓子、酒、飲料)も含まれます。
しかし、家族構成によって事情は異なり、3人家族と5人家族では同じ金額でも余裕度が違うため、家族が多いほど効率的な食費管理が求められるでしょう。
自身の家計状況を客観的に把握し、適切な食費設定を心がけることが、無理のない節約につながります。定期的に食費をチェックし、必要に応じて調整するとよいでしょう。
固定費の見直しも気になる方は、以下の記事も参考にしてください。
食費の節約テクニック11選|段階別に紹介
食費を抑える際には、「買い物をする前」「買い物中」「買い物をしたあと」の3段階で考えることが大切です。以下に、段階別の節約方法を紹介します。
買い物前の食費節約テクニック
まずは、「買い物をする前」の節約方法を4つ紹介します。
買い物前に意識すべき内容は、買い物中の買いすぎや無駄を防ぐことです。買いすぎや無駄を防ぐために、実践するとよい内容は以下の通りです。
方法1:1か月の予算を決める
食費の効果的な管理には、「月の予算を決めること」が不可欠です。適切な予算を立てることで、衝動買いや無駄な出費を抑制できます。理想的な食費は手取り収入の15%程度であるものの、現状の支出から急激に減らすことは避けるとよいでしょう。
夫婦の合計手取り収入が43万円で、理想的な食費が約6万5千円の場合だとします。しかし、現在10万円をつかっているなら、いきなり6万5千円に抑えるのは難しいといえます。まずは8万円など、達成可能な目標を設定し、徐々に理想の金額に近づけるとよいでしょう。
無理のない現実的な予算設定が、持続可能な食費節約の鍵になります。
方法2:外食と自炊の予算を決める
忙しい子育て世代が、3食を自炊だけで対応することは、現実的ではありません。しかし、外食に頼りすぎると食費が膨らむ傾向にあります。そこで効果的なのが、外食と自炊の予算を明確に分けることです。
まず、月の食費予算を外食費と自炊費に分割します。外食費には、レストランでの食事やテイクアウト、さらにスーパーの惣菜代も含めましょう。理想的な外食費の割合は、全体の食費における20%以内です。
月の食費予算が8万円の場合、外食費は1万6千円(8万円×20%)に抑えるのが望ましいでしょう。予算を明確に分けることで、外食の頻度や金額を意識的にコントロールでき、効果的な食費管理が可能になります。
方法3:冷蔵庫・冷凍庫の中身をチェック
効果的な食費節約には、冷蔵庫と冷凍庫の管理が欠かせません。整理されていない冷蔵庫や冷凍庫は、食材の重複購入や無駄な出費の原因になります。
買い物前に冷蔵庫と冷凍庫の中身を確認することで、すでにある食材を把握し、本当に必要なものだけを購入できます。無駄な買い物を避け、食費の削減につながるでしょう。
また、定期的な整理整頓は、食材の賞味期限切れを防ぎ、食品ロスの削減にも役立ちます。冷蔵庫と冷凍庫の中身を常に把握し、効率的な食材管理を心がけることで、より計画的で経済的な買い物が可能になります。
方法4:買い物リストを作成する
効果的な食費節約の秘訣は、計画的な買い物にあります。その中心となるのが、買い物リストの作成です。買い物リストは「単なる買うべき品目のメモ」ではなく、衝動買いを防ぎ、効率的な買い物を実現する強力なツールだといえます。
手書きでもスマートフォンのアプリでも、構いません。自分に合った方法で、買い物リストを作成しましょう。また「リストにあるものだけ買う」というルールを自分に課すことで、不要な出費を抑えられます。
買い物中の食費節約テクニック
つづいて、「買い物中」の節約テクニックを紹介します。買い物前に意識すべき内容は、自身の財布を守り、無駄な買い物を防ぐことです。
詳細は以下の通りです。
方法5:できるだけ1人で買い物に行く
食費節約の重要なポイントは、衝動買いを避けることです。家族と一緒に買い物に行くと、とくにパパや子どもがいる場合、予定外の商品を購入しがちです。そのため、可能な限り1人で買い物に行くことをおすすめします。
しかし、小さな子どもがいる場合、1人で買い物に行くのが難しいこともあるでしょう。そのような時は、食材宅配サービスの利用を検討してみてください。自宅にいながら買い物ができ、食材を受け取れるため、子どもと一緒にスーパーに行く必要がありません。
さらに、宅配サービスを利用することで、移動時間の節約にもなるでしょう。
方法6:まとめ買いをする
まとめ買いは、必要な食材や日用品を一度にまとめて購入することを指します。まとめ買いをするメリットは、買い物の頻度を減らせるため、衝動買いの機会を削減できることです。
ただし、「セール品だからといって必要以上に大量購入する」「予算をオーバーしてまでまとめ買いをする」といった行動は、かえって家計の負担になります。
効果的なまとめ買いのコツは、計画性です。たとえば、「1週間分の食材を買う」と具体的な期間を設定し、「1万円以内」などと予算も決めておきましょう。明確な目標を立てることで、無駄のない効率的な買い物が可能になります。
方法7:ポイントカードを活用する
食費節約の効果的な方法として、ポイントカードの活用があります。多くのスーパーマーケットやドラッグストアでは、独自のポイントカードシステムを導入しており、カードを上手に活用することで、実質的な値引きや特典を得られるでしょう。
ポイントカードの利点は、日々の買い物でポイントが貯まり、後日の買い物で使用できることです。100円につき1ポイントが貯まるシステムであれば、1万円の買い物で100ポイント獲得でき、実質的に1%の還元率となります。
ポイント何倍デーやポイントアップキャンペーンなどの特別な日を利用すれば、より多くのポイントを獲得できるでしょう。会員向けの特別セールやクーポンを利用することで、さらなる節約につながります。
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買い物をしたあと
買い物後も、食費節約のチャンスはつづきます。冷蔵庫や冷凍庫の活用、食材の使い切り、作り置きなど、家庭内での工夫でさらなる節約が可能です。
具体的な内容は、以下の通りです。
方法8:冷凍庫を有効活用する
食費節約の強力な味方として、冷凍庫の活用が挙げられます。冷凍庫を上手につかうことで、食材の無駄を減らし、買い物の頻度を抑えられるでしょう。
肉や魚はもちろん、ゆでたブロッコリーなどの野菜も冷凍保存が可能です。カレーやきんぴらごぼうなどの料理を大量に作り、小分けにして冷凍しておくのもおすすめです。調理時間の短縮だけでなく、ガス代や電気代の節約にもつながるでしょう。
方法9:冷蔵庫・冷凍庫を定期的に掃除する
食費節約の意外な秘訣として、冷蔵庫と冷凍庫の定期的な掃除が挙げられます。少なくとも月に一度の頻度で掃除をすることで、食材管理が格段に向上し、無駄な支出を抑えられます。
掃除の際には、賞味期限が近い商品を手前に配置し、使用頻度の高いものを取りやすい位置に置きましょう。段ごとに食材をカテゴリー分けすることで、在庫管理が容易になります。最上段を乳製品専用にするなどの工夫も効果的です。
長期間使用していない食材は思い切って処分し、スペースを有効活用しましょう。食材の重複購入を防ぎ、冷蔵庫内の見通しがよくなった結果として、食材の無駄遣いが減り食費の節約につながります。
方法10:食材を無駄なくつかい切る
食費節約の要は、購入した食材を「無駄なくつかい切る」ことです。
野菜の皮や茎などは、捨てずに活用できます。たとえば、大根の皮は炒め物に、ブロッコリーの茎はポタージュスープの具材として活躍します。果物の皮も、ジャムやお菓子作りに利用可能です。
余った食材は、冷凍保存や乾燥させて保存することにより、長持ちさせられます。肉や魚の切れ端は、チャーハンや炒め物の具材として活用できるでしょう。
食材の使用期限を把握し、計画的に使用することも大切です。冷蔵庫内の食材をこまめにチェックし、傷む前につかい切る習慣をつけるとよいでしょう。
方法11:作り置きを活用する
作り置きは、食費節約と時間の有効活用を両立させる優れた方法です。まとめて調理することで、食材の無駄を減らし、調理時間や光熱費の節約にもつながるでしょう。
たとえば、休日にカレーやシチュー、煮物などの常備菜を大量に作り、小分けして冷凍保存もおすすめです。平日の忙しい日には、これらを解凍して温めるだけで食事の準備が完了します。
また、野菜の下処理や肉の下味付けなどを事前に行っておくと、調理時間が大幅に短縮されます。外食や中食に頼る機会も減り、結果的に食費の節約につながるでしょう。作り置きの活用によって、食材のつかい切りも容易になります。余った野菜や肉は、すぐにお惣菜に変えて保存できるため、食材の廃棄も減らせます。
食費節約のNG行動
食費を節約したい人は、NG行動も念頭に置くことが大切です。ここでは、食費節約のNG行動について解説します。
スーパーマーケットのはしごをしない
スーパーのはしごとは、同日に複数のスーパーマーケットを回り、各店の特売品を購入する行為を指します。たとえば、A店で安い卵を、B店では特価の牛乳を買うといった具合です。
かつては、スーパーのはしごが節約の王道とされていました。実際には、食費の無駄遣いにつながる可能性が高いといえます。なぜなら、店舗を多く回れば回るほど、計画外の商品を衝動買いするリスクが高まるからです。移動にかかるガソリン代や時間のコストを考慮すると、決して経済的とはいえません。
さらに、複数の店を回ることで疲労が蓄積し、適切な判断力が低下する可能性もあるでしょう。食費節約を目指すなら、スーパーのはしごは避け、計画的に一か所で買い物を済ませることを推奨します。
栄養面がかたよる節約をしない
食費を抑えようとするあまり、栄養面がかたよる節約方法は避けるべきです。たとえば、「野菜や果物を極端に減らす」「安価な炭水化物ばかりを摂取する」などは、長期的に見て健康に悪影響をおよぼす可能性があります。
バランスの取れた食事は、身体の健康維持に不可欠です。栄養がかたよると、免疫力の低下や体調不良を引き起こし、結果的に医療費などの出費が増える可能性もあり、本末転倒です。
季節の野菜や果物を上手に取り入れ、タンパク質源を肉だけでなく卵や豆類など比較的安価なもので活用すれば、栄養バランスを保ちながら食費を抑えられます。
健康的な食生活を維持しつつ節約する方法が、真の意味での食費節約につながるでしょう。
必要以上に安さを追求しない
食費節約を心がける中で、必要以上に安さを追求することは避けるべき行動の一つです。価格の安い食品を選ぶことで一時的な出費は抑えられるものの、長期的には逆効果になる可能性も否定できません。
極端に安い食品は、品質や鮮度が劣る場合もあり、食べ残しや廃棄につながる可能性が高まります。結果として、食品ロスが増え、かえって無駄な出費を生むことになるでしょう。
安さを追求するあまり、栄養価の低い食品ばかりを選ぶと健康面での問題が生じ、将来的な医療費の増加につながる恐れがあります。むしろ、適度な価格で良質な食材を選び、無駄なくつかい切ることが、真の意味での食費節約に役立ちます。
食費と家計管理のコツ
ここでは、食費節約を考えるうえでの「食費と家計管理のコツ」について解説します。
詳細は以下の通りです。
食費とこづかいを分ける
家計管理を効果的に行うには、食費とこづかいを明確に分けることが重要です。食費は生活に不可欠な支出であり、計画的に管理すべき項目であるものの、こづかいは個人の裁量でつかえる金額なので趣旨が異なります。
異なる趣旨の「食費」と「こづかい」を分けることで、メリハリある家計管理を実現できるでしょう。
食費を別枠で管理すれば、食費の推移を把握しやすくなり、無駄な出費を抑える効果があります。また、こづかいを別に設けることで、個人の趣味や娯楽にも適度に出費できる余裕が生まれます。これにより、ストレスフリーな家計管理が実現し、長期的な節約にもつながるでしょう。
家計簿をつける
家計簿づけは、「効果的な食費管理」と「家計管理の基本」となる重要な習慣です。日々の支出を記録することで、自身の消費傾向を把握し、無駄な出費を見つけやすくなります。とくに食費は日常的な支出であるため、家計簿をつければ変動を詳細に追跡できるでしょう。
家計簿は、紙のノートやエクセルシート、専用のアプリなど、自分に合った方法で構いません。重要なのは、継続して記録することです。毎日の食費や食材の購入費用を記録することで、月単位や年単位での食費の推移が明確になります。
また将来の食費計画を立てる際にも、過去の記録が貴重な参考資料となるでしょう。
定期的に家計を見直す
効果的な家計管理を行うためには、定期的な家計の見直しが欠かせません。食費は日々の生活に直結する支出であり、頻繁にチェックすることが重要です。
月に一度、あるいは季節ごとに家計を見直すことで、食費の無駄や改善点を発見しやすくなります。たとえば、食材の購入パターンや外食の頻度、調理済み食品への依存度なども分析できるでしょう。
また、定期的な見直しは、「物価の変動」や「生活スタイルの変化」に対応するチャンスともいえます。季節ごとの食材の価格変動を考慮し、より経済的な食生活を計画することも可能です。
食費を適切に節約し、無理のない持続的な節約を
食費の節約は「家計改善の重要な要素」であるものの、過度な節約はストレスや健康上の問題を引き起こす可能性があります。持続可能な食費節約のためには、バランスの取れたアプローチが必要です。
専門家のアドバイスを受けることも、より効果的な家計管理につながります。無理のない節約をつづけることで、「長期的な家計の健全化」と「ゆとりある生活の実現」が可能になるでしょう。
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